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デンセンマンの祈り

プロジェクトタイプ

音楽劇

初演

2023年6月10日、与那原Rune Cosmos

音楽劇「デンセンマンの祈り」 台本ver4 カポ2(D)
2023年6月10日初演

(音楽)Dm Dm C C G G A7 A7
(ループを作る)
(ループにのせてセリフ)
南太平洋のアラギニア島で生まれ育ったデンセンマンは、島の火力発電所でエンジニアとして働いていました。
ある日のこと、本社から転勤してきた上司のハラスメントにどうしても我慢がならなかったデンセンマンは、気が付くと火力発電所から沖縄に向けて海中送電線をひた走っていました。
途中、鉄塔があるごとに立ち止まっては、亡くなった方の冥福を祈りつつ一心に沖縄を目指すデンセンマンなのでした。
沖縄に到着したデンセンマンは、たまたま沖縄を巡業していた「電線軍団」一座のベンジャミン加藤と小林与太八左衛門にひろわれ、見習い芸人として、図らずも歌って踊る第二の人生を始めることになりました。
「電線軍団」の舞台でデンセンマンがアドリブで踊った「電線カチャーシー」が大評判となり「電線軍団」の人気が沸騰します。
デンセンマンは毎年恒例のオールスター母の日公演『歌って踊って笑いごろ』にも出演し、「電線カチャーシー」を踊りました。そして、そのステージ裏で運命の人、門(じょう)たんかアカレと出会うことになったのでした。
(ループを止め、シームレスに歌に移る)
(うた「デンセンマンは祈る」)
(前奏)Dm Dm C C G G A7 A7
アラギニアから やってきたよ Ⅾm7 Dm7
100万ボルト ケーブルで C C
沖縄までも やってきたよ G G
デンセンマンが やってきたよ  A7 A7
デンセンマンの お目当ては Ⅾm7 Dm7
民謡歌手の アカレちゃん C C
良実おじいの 教えを受け G G
めきめき力 つけていたよ  A7 A7 Ⅾm G7
(サビ)
デンセンマンは祈る あの人の 幸せを  C Em G G
デンセンマンは祈る いつまでも どこまでも C Em G G
喜びも 悲しみも   F C 
心の中で G G G A7
(2番)
ぼくといっしょに あそぼうよ Ⅾm7 Dm7
白い砂浜 走ろうよ   C C
いじめられても 泣かないよ G G
ぼくがいるから 涙をふいて   A7 A7
いつか大人に なったときに Ⅾm7 Dm7
校舎のすみで 結ばれたよ C C
優しい人が 好きなんだ G G
二人は永久(とわ)に はなれないよ  A7 A7 Ⅾm G7
(サビ)
デンセンマンは祈る あの人の 幸せを  C Em G G
デンセンマンは祈る いつまでも どこまでも C Em G G
喜びも 悲しみも   F C 
心の中で G G G A7
(後奏)Dm Dm C C G G A7 A7

(シームレスにループをスタートする)
(ループにのせてセリフ)

門(じょー)たんかアカレは、病弱のため、4歳の時に久米島に住む良美おじい引き取られていました。
島の自然の中で伸び伸びと育ったアカレは、おじいから三線の手ほどきを受けます。もともと才能のあったアカレはめきめきと実力をつけていきました。
アカレは18歳の時に沖縄本島の実家にもどりましたが、島でなじんでいた歌や三線が忘れられません。
父が経営する会社の経営が傾き、経済的には苦しい状況でしたが、アカレは毎月、歌・三線のレッスンを受けるために久米島のおじいのもとに通い続けたのです。
持って生まれた才能と、良実おじいの懇切丁寧な指導のおかげで、今ではアカレはプロの民謡歌手として忙しい毎日を送っています。
そんなアカレの。筋金入りの歌唱力にデンセンマンは惚れました。アカレを推して推して、たまに突っ張ってることはあっても、決して引いたりはしません。アカレが出る舞台ならば離島だろうが海外だろうが、デンセンマンはどこまでも追いかけました。
寝ても覚めてもアカレ、アカレ・・・。そんなデンセンマンに、アカレに対する恋愛感情が芽生えるのは自然なことでした。
アカレが沖縄代表として全国民謡大会に出場するため那覇空港から旅立とうとする、その日、ついにデンセンマンは自分の気持ちをアカレに打ち明けようとしたのでした。
(ループにのせてセリフ)

アナウンス: 「東京羽田行き108便をご利用のお客様、8番ゲートより間もなくのご出発でございます。」
アカレ: デンセンマン、じゃあ行ってくるね。あたし、頑張ってくるから留守をよろしく。
デンセンマン: アカレちゃん、こんな時になんなんだけど。今回、どうしても一緒に行けないので、いま、ここで君に言っておきたいことがあるんだ。
アカレ: えっ、何。 何なの。もうすぐ搭乗時刻だから早くして。
デンセンマン: アカレちゃん、君のことが好きだ。結婚を前提に付き合ってほしい。
アカレ: ええっ。あはは。はは。ちち。あね、うね。冗談でしょ。
デンセンマン: 冗談なんかじゃない。
アカレ: あのね、デンセンマン。あなたにはだまっていたけど・・、私には他に好きな人がいるのよ。
デンセンマン: えっ! それは誰?
アカレ: とーっても二枚目で、歌もうまいし、やさしいし。 ここまで言えば分かるでしょ。
デンセンマン: えーっ。あー、・・・うー。

デンセンマンはグーの音も出ません。チョキが出ました。
チョキをパーに変えて手を振って、搭乗ゲートの内と外に二人は別れました。
(音楽)ハーモニカ (キーD)Dm Dm C C G G A7 A7

その後のデンセンマンの気の落としよう、やつれようといったら、ただ事ではありません。見ていられないほどでした。
浮浪者のようなぼろぼろのマントを着て、子供たちにちょっかいを出しては馬鹿にされ、大人にはじゃまにされて、笑われてばかりの毎日を過ごしていました。
ある日、身に覚えのない罪を着せられ、監獄に入れられてしまったデンセンマンは、鉄格子の中で歌いながら、自らの無実を訴えるのでした。 
(うた「デンセンマンのうた」) Cのブルース
(前奏)
わたしはデンセンマン
わたしはデンセンマン
マンというからにゃ 人間のつもり
わたしは明るい わたしが好き
わたしは元気な わたしが好き
三日前までは そんなだったさ
わたしが裸で 街を歩けば
みんながわたしを キチガイ扱い
黄色い車が 迎えに来たさ
(間奏)
わたしは檻に入れられて
鉄格子の中から 娑婆を見つめる
狂っているのは 世間じゃないかと
わたしはデンセンマン
わたしはデンセンマン
素直に生きたいと 思っただけさ
(後奏)

皆さん、窓の外を見てください。
宇宙船の光が見えます。
デンセンマンは 空で待っています。
彼は 私たちに最後の挨拶をするために やってきたのかも知れません。
でも彼は 私たちを驚かせたくはなかった。
彼にはいきなり着陸する気はなかった。
デンセンマンは子どもたちに言いました。
デンセンマン: 【ピッチシフターON】 「知恵を使い切るんだよ」
デンセンマンは 空で待っています。
彼は言いました。
デンセンマン: 【ピッチシフターON】 「びっくりしないでほしい。
私は怪しいものじゃないんだ。
くれぐれも、くれぐれも みんなの大事なものを 見失わないようにね」
私たちがその気になれば、彼は今にも着陸するのかもしれません。
もしそうなっても、それを大人に言ってはいけません。
そんなことをしたら、デンセンマンは 間違いなく、また小さな部屋に閉じ込められてしまいます。
デンセンマンは 空で待っています。
デンセンマンは 今も空で「電線カチャーシー」を踊っています。
泣きながら踊っています。
アカレ: 【ピッチシフターON】 さようなら、デンセンマン。
さようなら、
さようなら。
(宇宙船の音)
(おわり)

スペシャルサンクス:加藤さん

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