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文楽「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)四段目」 2023年7月23日、国立文楽劇場(大坂)

更新日:2023年8月2日

久しぶりに文楽を見た。与那原Cosmosでの月例ライブで「沖縄浪曲」をやりたいと思っていて、すでに部分的にはやりかけているのだが、浪曲を研究していると、その起源である(たぶん)浄瑠璃とか説教節、祭文あたりまで興味がぶりかえしてきている。今回、新幹線で福岡-広島-名古屋を移動するにあたり、大阪でも途中下車をして久しぶりに文楽を見てみることにした。

今回見たのは、近松半二の作品で名作とされる「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」。大島真寿美の直木賞受賞作で取り上げられ一躍有名になった作品だ。国立文楽劇場ではこの四月に一段目から三段目までを通しで上演しており、今回はその続きの四段目の通し上演。あまり上演されないという「入鹿誅伐の段」まで含めた通し上演である。ほんとうは橋本治さんが名作と推奨している三段目を見たかったのだが、仕方がない。しかし、この四段目もそうとう見ごたえがあった。

特に前半のラスト「道行恋苧環」がよかった。この話の主役とも言えるお三輪がもう一人の主役橘姫と恋人を取り合う場面である。5人の太夫と6人の三味線が登場し大迫力の演奏をした。私の席は4列目右側、つまり演奏者の目の前であり、狙い通りの音の洪水を浴びて、人間国宝の細かい手さばきもまじかで見られて、胸はどきどき、心うきうき、ああ来てよかった大阪の大観劇(感激)とあいなりました。

それと今回初めて意識したのが、文楽はサウンドアートだということ。自分は以前から人形の動きよりも浄瑠璃や三味線を音楽として聴くのが好きだったが、それだけでなくいろいろな鳴物の音があちこちの御簾の中から聴こえてくることに気づいた。上手・下手の二階、そして太夫たちがいるせり出し舞台の二階から笛とか太鼓とかが立体的に聞こえてくる。これはもうたまらない。文楽の魅力、再発見の日でもありました。











夏休み文楽特別公演

第2部 【名作劇場】 午後1時30分開演

通し狂言 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 四段目

井戸替の段

  杉酒屋の段

  道行恋苧環

  鱶七使者の段

  姫戻りの段

  金殿の段

  入鹿誅伐の段





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